◆抄慶山の青桜◆


■シナリオの概要

 このシナリオは、初心者用シナリオで、プレイヤー4〜6人向きです。初めて央華のルールブックを触って、「うーんなんじゃこりゃわからないよう、シナリオなんて考えられない」ってな方を想定して作っておりますので、上級者の方には物足りないかもしれませんが、どうかご容赦下さい。

 なお実際にプレイした様子は、文芸部リプレイ第1巻をごらん頂ければ、分かります(宣伝(笑)

 仙人達は、師匠達から花見の為に、珍しい桜の咲く抄慶山(しょうけいざん)の桜の咲き具合を確かめて来いと命令されます。

 抄慶山に着いた一行は、抄慶山の桜の木が切られている現場に出くわします。切っているのは、どうやら、妖怪のよう。しかも、抄慶山周辺には陰気が取り巻いています。
 仙人達は、この陰気の原因を突きとめ、桜の木を切り倒す妖怪を退治する事になります。



一 導入


 とある、うららかな春の1日、プレイヤーキャラクター達は、それぞれの師匠達に連れられ、師匠達のうちの一人の洞府に集まりお茶会をしています。
 とりとめもない話をしている師匠達ですが、そのうちの一人が

「もうそろそろ、桜の咲く季節ですねえ」

と切り出します。すると、もう一人が、

「抄慶山というところに、青い花をつける、珍しい桜があるらしい」

 と話します。珍しい桜をぜひ見に行きたいという話でまとまった師匠達ですが、どうせなら満開を見に行こうということになり、かくして、弟子たちに桜の咲き具合を見て来いという使命が与えられます。

 ○禁呪仙人がいた場合

 もし、師匠の中に禁呪仙人がいれば、 「抄慶山?何か聞き覚えがあるなあ・・・何か忘れておるような気がする」 と発言させておいてください。壷の真相へ



二 抄慶山

◆抄慶山は、プレイヤーキャラクターの洞府から歩いて3日程度の場所にあります。乗騎を使えば半日程度で済むでしょう。

○抄慶山に近づくと、陰気が漂っています。陰気を感じ取れる使役獣や、七星剣があれば、無条件で感知できます。感じ取る手段がないようであれば、知覚ロール難易度10で判定して成功すれば感知できた事にしても良いでしょう。

○更に近づくと、山の中腹の木々が不自然に伐採されており、そのあたりに、青い桜の木が一本だけ残っているのを、発見できます。
そのそばで、女性が、何人かの男たちに小突かれています。


◆女性は、青い服を着ていて、長い髪を青い布でまとめています。その女性を取り囲むように、鎧を着た男たちが3人がいます。
 そのうち一人は、一丈(3メートル)を超えるぐらいの大男です。あとの2人は、直立した虫が、鎧をまとったような姿です。(この3人からも陰気を感じます。)

○止めに入るなら
大男が「何者だ、お前達!邪魔をするなら、この鉱鉞(こうえつ)様が懲らしめてやるぞ!」
といいつつ、3匹はキャラクター達に襲いかかります。

妖怪のデータはこちら

 鉱鉞(大男)は、部下の虫兵が、2人とも死ぬと、彼らの隠れ家のある東の方へ敗走します。
もし、追撃する場合は、敏捷値で対抗判定をして下さい。もし、鉱鉞が逃げられたら、最後の戦闘に参加させてください。

○止めに入らないなら
3匹は、桜の木を切り倒そうとします。ここでも止めに入らない場合は、プレイヤーキャラクター達の徳値を減らして下さい。
切り倒されると、いじめられていた女性は消えてしまいます。
 言うまでもないことですが、仙人は正義を守って徳値を得るために冒険しているわけで、このような事態のときに、助けに入らない仙人などいないと思います。この選択肢はいらないなあとも思ったんですが、書いておきます(苦笑)

◆助けた女性は、実は青い桜の精で、名を「桜青華(おうせいか)」と名乗ります。
彼女は礼を言った後、事の顛末を語りはじめます。
○桜の精が語ること。
 「ここ、抄慶山の桜が青いわけをご存知でしょうか?
山の東の方から流れてくるわずかな陰気が作用して、私たちを青く彩らせていたのですが、  つい最近、流れて来る陰気が急に大きくなったのでございます。
 それが原因か、悪い妖怪達が山に住み着くようになって、難儀しております。
 さっきの奴は、鉱鉞大将軍と名乗っていて、暇を見ては嫌がらせをしに来て 仲間の木を切り倒してしまったのです。どうか、助けてもらえないでしょうか?」

 桜の精は、妖怪達には木行の術が通じないことも教えてくれます。

 ここで、五遁の術者がいれば、五行の相克で
木の精→木行、
木行の術が通じない→相手が金行
金行は火行に弱い

 という結論が導き出されるはずですが、もしプレイヤーが慣れていない場合は、この結論に至らない可能性もあるので、適宜ヒントを教えてあげてください。



三 東の斜面への道のり

◆キャラクターたちは、陰気を探って洞窟を探す事になります。
 知覚で難易度8のロール。成功すれば、東の斜面に岩棚が見つかります。
 知覚ロールを失敗するたび、何らかのトラブルが起こります。難易度を低めに設定してますので、  失敗する事も無いと思いますが、もし失敗したら次のようなトラブルを起こしてください。(もし面倒なら、割愛してください。)

●起こるトラブル
サイコロを一個振って、出た目が

1、2なら、パトロール中の「虫兵」に発見される。虫兵2匹と戦闘になります。妖怪のデータはこちら
3、4なら、渡らなければならない川があります。機敏で難易度8のロールを振ってください。失敗すれば、服がぬれます。
5、6なら、動物に遭遇します。山にいるような動物を発見します。攻撃はしてきません。もし長嘯術者がいて、話し掛ければ、洞窟の場所について教えてもらう事が出来ます。


四 東の斜面

◆岩棚は山の中腹にあり、洞窟の入り口があります。岩棚を登るには難易度10の敏捷ロールを行います。失敗すると1d6のダメージを受けます。もちろん斜面を登るのに、乗騎を使ったり空を飛ぶ仙術を使った場合は、判定する必要はありません。

◆崖の上には、虫兵が一匹見張りに立っています。虫兵に見つからないようにするには、虫兵の知覚と、プレイヤーキャラクターの敏捷でさいころを振り合います。

妖怪のデータはこちら

 判定に成功した場合、プレイヤーは奇襲をかけることができます。
 判定に失敗した場合は、虫兵は騒いで、仲間に進入者の存在を知らせます。
 知らせた場合、洞窟に入った時点で、不利な条件で戦闘を行うことになります。


◆洞窟の中は、じめじめしていて、明かりは点いていません。道幅は、二人なら並んで歩ける程度です。洞窟内のマップ

☆部屋1〜壷の部屋〜

 分かれ道に岩が崩れており、その下には陣図が書いてあります。ただし、陣図としての役目は、崩れてきた岩のおかげで、果たしていないようです。もし風水の術者がいれば。我理世知誤道の陣であると分かります。

 部屋の真ん中には、大きな穴が開いています。もし陰気を感じ取れる仙宝や、使役獣がいれば、陰気がその大きな穴から出てきていることを、感じることができます。
穴の前には、陶器の破片が散乱して、そのとなりには封陰壺と書いてある紙があります。

 陶器の破片は、陰気を吸い込む仙宝の壷の破片で、壷を壊したために、今まで吸い込んでいた中の陰気が開放されています。

◆壷の真相

 この壷は、ある禁呪仙人が、陰気を吸い込む壷の実験のために配置したものです。コミカルさを出すために、プレイヤーキャラクターの中に風水か禁呪がいる場合、そのキャラクターの師匠が、作って置いておいたということにしても良いでしょう。その場合、封陰壷と書いてある紙の筆跡が見なれた筆跡である事を、そのプレイヤーに告げてください。

 このネタを使う場合、導入部でこの師匠に「はて、抄慶山とは、聞き覚えがあるが、なんじゃったかの?」と言わせるのも面白いと思います。

導入へ


☆部屋二 〜虫たちの部屋〜

 明かりがなく暗くてじめじめした部屋です。入ると足の裏にいやな感触があります。
明かりで照らすと床一面に小さな芋虫がいます。中には少し大きくなっているものもいるでしょう。
 この部屋は、金行二兄弟に使役されている虫兵が飼育されている部屋です。
術を使えば、全滅も出来ますが、あまり意味のないことでもあります。


☆部屋三 〜一番奥の部屋〜

 かなり広めの部屋(10×10メートルぐらい)で、明かりがあります。

 ここには、虫兵の親玉の、妖怪鉱鉞・鉱斧兄弟と、虫兵が4匹が陣取っています(もし桜の精を助けた時に鉱鉞を殺していれば、当然のことながら鉱鉞はいません)

◆彼らの正体は、死刑執行に使われていた大小、対の斧です。血を浴びつつけた結果、妖怪に変化してしまいました。各地で悪事を繰り返して、最近、陰気が溢れ出したこの抄慶山に居座ったと言うわけです。桜の精を襲っていたのは、単なる嫌がらせです。

○もし入り口で、見張りに見付かっていた場合。
キャラクターたちの前にずらりと並んだ状態で待ち構えています。キャラクター達が部屋に入ると、
「おまえ達が来るのは分かっていたぞ!人様の家に上がり込むとは、いい度胸だ。こってんぱんにのしてやるわい!」と大男の方が怒鳴ります。通常の戦闘を行います。

妖怪のデータはこちら

○見張りに見付かっていなかったり、ここでの判定に成功していた場合
先手を取れることにしても良いでしょう。

もし彼らを生け捕りしたり、事情をプレイヤーが聞きたがったら、ここらへんを話しても良いでしょう。

五 終局

○師匠達に抄慶山の現状を報告すると、師匠達は、

「よしよし、よくやった。しかし、桜が切られてると言うのは残念じゃのう。誰か木行を使えんかね?」
「ああ私が知ってますよ。」というような話になります。
 
 
○封陰壷について報告すると、
 もしプレイヤーキャラクターのうちの誰かの禁呪の師匠が置いておいたということにした場合、 当の本人が
「おお、そう言えば忘れておったわい。そうか、そう言えば置きっぱなしじゃったのう。やれやれ、壷が壊されたということは、もう一回実験のやりなおしじゃのう」
と言って笑います。

 上記のようにしなかった場合は、師匠のうちの誰かが、壷の製作者について知っていて、報告に行く事を頼まれます。(この使命を次のシナリオにしても良いでしょう)

 一通り報告が終わると、師匠達は、現地に行って仙術によって、桜の木を復活させます。満開の青い桜の下、桜の精はお礼の踊りを舞い、巫蠱の師匠の作ったおべんとで、みんなで仲良く花見をしながら終わります。

■妖怪データ


○虫兵

 芋虫を直立にして、手足を生やし、鎧を着せたような妖怪です。色は白色です。洞窟に住む芋虫が、陰気を浴びてこのような姿になりました。五遁金行の存在のため、火行の攻撃に対して、ペナルティを受けます。また、五遁土行を無効に出来ます。
能力値
体力:6 体格:5 器用:6 機敏:7 知識:1 知覚:6 意志:5 仙骨:× 魅力:2
技能値
攻撃/受け:3 回避:2 仙術行使:× 仙術抵抗:3 生命値:8 天命数:1 精神値:5


こうえつ○鉱鉞(こうえつ)

 一丈の鎧をまとった、ヒゲ面の大男です。武器は斧を持っています。術は使わず、最前線を好みます。正体は大斧です。五遁金行の存在のため、火行の攻撃に対して、ペナルティを受けます。また、五遁土行を無効に出来ます。
能力値
体力:12 体格:12 器用:6 機敏:7 知識:4 知覚:6 意志:5 仙骨:1 魅力:6
技能値
攻撃/受け:6 回避:-2 仙術行使:1(五遁金行) 仙術抵抗:5 生命値:16 天命数:3 精神値:6


こうふ○鉱斧(こうふ)

 文官風の男です。鉱鉞の義兄弟(弟分)です。術を使う事を好みます。以金行為針雨 滅の札(行使値7)を一つ持っています。札を使った後は、以金行鋼針 刺の術をちまちま使ってきます。五遁金行の存在のため、火行の攻撃に対して、ペナルティを受けます。また、五遁土行を無効に出来ます。正体は小ぶりの斧です。
能力値
体力:8 体格:8 器用:10 機敏:10 知識:10 知覚:9 意志:8 仙骨:3 魅力:8
技能値
攻撃/受け:5 回避:2 仙術行使:3(五遁金行) 仙術抵抗:6 生命値:12 天命数:2 精神値:10



 さて、いかがでしょう?かなり穴があるシナリオかと思いますが、使っていただければうれしいです。何かお気づきの点がございましたら、メールの方お願いします。

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